全ての失踪が万端な準備とともに発動されるわけではないでしょう。私はストレスが極限に達していたある日、たまたま寝坊をしてしまったことで「逃げなければいけない」と何故か思ってしまい、そのまま家を飛び出して二度と職場に姿を現すことはありませんでした。
衝動と直感で行動することも人生では必要かもしれませんが、準備しておくことに越したことはないのも事実です。これから失踪する予定のある人は本稿「失踪する前の最低限の準備3ステップ」を参考にしてくださいませ。
1. 持ち物を準備する
人それぞれ必要な持ち物は違うでしょうけれど、本稿においては誰にとっても必要であろう最低限の持ち物を3つだけ挙げます。
1. 着替え
2日〜3日分で充分です。荷物を軽くするためにもTシャツなどのシンプルなものが望まれます。防寒のため冬は必然的に荷物が増えます。
2. 現金
失踪においては実現する生活レベルによってかかるお金が全く違ってきます。毎日野宿で炊き出しや廃棄品を食べていればコストは0円ですが、毎日ネットカフェに泊まって外食をするとなると1ヶ月10万円以上の出費となってしまいます。私は無駄遣いをしていたつもりはなかったけれど、結果的に1ヶ月に20万円以上出費していました。
現在の持ち合わせがいくらあるかは人それぞれです。多いに越したことはありませんが、少ないからといって失踪できないかと言えばそうではないということは覚えておいて損はないでしょう。
3. 身分証明証
最近では条例により身分証の提示を求めるネットカフェが増えています。失踪においては携帯電話(スマホ)は家に置いてくることが推奨されますが、失踪中にどうしても必要になって契約することになるかもしれません。そんな際に身分証明証を持っていると事がスムーズに運びます。
2. パソコンとスマホにロックをかける
上述しましたが、携帯電話・スマートフォンは持たずに置いていくことが推奨されます。失踪を知った両親や友人からの連絡が携帯にガンガン来れば当初の失踪の意志が揺らぎますし、万が一、特異家出人(事件性の疑われる失踪者)であると警察に判断された場合、基地局情報によって居場所が明らかになってしまいます。
携帯電話を持たずに置いておくことのリスクに個人情報があります。すなわち、両親などが携帯に登録してある連絡先やSNSでの友だちに片っ端から連絡してしまう恐れがあるということ。そうなるとあなたが失踪したことを知らなくていい人にまで広く知れ渡ってしまうこととなります。
従って、失踪の前には置いていくスマホには堅牢なロックをかけておくこと。パソコンも同様。他、タブレット端末などのデバイスを所有している場合にはそれも同様です。また、見られたくないものなどは片付けてスマホやパソコンと共に部屋の隅にでも押しやっておきましょう。
3. 失踪宣言書を書く
失踪宣言書を部屋に残しておくことによって、事件に巻き込まれたのではなく自らの意志で失踪することを明白にすることができます。失踪宣言書には書くべき3つのポイントがあります。
1. 自らの意志で失踪すること
2. 自殺の意図はなく、必ず返ってくること
3. 日付、署名
これを踏まえた失踪宣言書の例を下記に示しておきます。
*
自分の意志で一人で失踪します。
自殺するつもりはありません。
帰る時には連絡します。
○○年◯月◯日 失踪太郎
*
難しいことはありません。たったこれだけで充分です。書くに相応しい紙が見当たらない場合はチラシの裏でもダンボールでも構いません。書き上げたら机の上などの目立つところに置いておきましょう。
失踪宣言がなされていてその失踪が自発的であることが明らかである場合、警察は個人の自由を尊重するために捜索願は受理されません。また、自らの意志で行方をくらまし自殺企図の可能性がないことを明らかにすることで、周囲の人への心配を最小限に抑えることができます。要するに、追ってくる者を少なくすることにより自由な失踪生活を手にすることができるということです。
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