失踪するにあたって厄介なのが携帯電話・スマートフォン(以下「スマホ」で統一)の取り扱い方です。特に失踪中というあらゆる手段が限られた状況においてはスマホは大変に心強いものなのですが、その反面、居場所がバレる・連絡が来るなどのデメリットも存在します。
本稿においては、失踪中にスマホを持つメリットとデメリットを明確にした上で、失踪計画に合わせた最善のプランを提案していくものです。
失踪中のスマホのメリット
地図になる
「失踪するなら遠くへ行け」は確固たるセオリーですが、暗中模索で良く知らない場所を目指すことはなかなか難しいものです。
私がかつて2ヶ月間失踪した際にスマホで最も役に立ったのは「マップ」です。当初はスマホを持って家を出たもののずっと電源をオフにしていたのですが、あまりにも現在地と周辺環境がわからずにスマホに頼ることと相成ったのでした。
検索できる
失踪中はわからないことだらけですので、手元の端末でその不安をすぐに解消でき、時に合理的な手段を選びうる助けになることは大変に心強いです。
例えば、私は当初割高なネットカフェを転々としていたのですが、あまりにも貯金残高が激しく減っていくのでもっと違う選択肢はないかと検索した結果、1ヶ月23,000円で出入り自由のネットカフェを見つけそこに生活の拠点を変更することが出来ました。
もちろん検索はネットカフェのパソコンでもできますが、いつでもどこでも調べることができるのは大いなるメリットであると思います。「安全な野宿の仕方」なども調べればたくさんの情報が出てきます。
暇つぶしができる
失踪の大敵は退屈です。退屈は意志を歪め、油断をもたらします。失踪中であれ少しくらいの娯楽があってもいいでしょう。スマホゲーム、ingressやポケモンGOなどの位置ゲー、青空文庫での読書、失踪ブログをひっそりと更新してもいいでしょう。せっかくの貴重な失踪体験なのですから悲観的にならずに楽しくやりましょう。
仕事探しやお小遣い稼ぎができる
失踪中における切実な問題はお金です。ただただ減っていく口座残高を見ながら恐怖と焦燥に苛まれることになります。
ただそんな時でもスマホがあればいつでもどこでも求人を探すことができます。失踪者向きの仕事として挙げられるのが日雇いの短日・単日バイトですが、最善策は日雇いバイト専門の求人サイトであるショットワークスから探すことです。
また、住み込みで働きながら短期間でガッツリ稼ぎたいなら季節限定にはなりますがリゾートバイトという手もあります。
失踪中のスマホのデメリット
居場所が知られる
GPS機能をオフにしていたとしても、スマホの電源が入っていることによって基地局の情報からおおよその居場所が推定されてしまいます。たとえほんの一瞬でも電源をオンにし電波を受信した瞬間に、です。
もちろん、そういった利用者のプライバシーに関わる情報は一般に公開されることはありません。ですが、仮にあなたが特異家出人(事件性の疑われる失踪者)として警察にみなされて、捜査の対象になってしまっている場合、警察は事件の迅速な解決のために携帯キャリアにデータの開示を請求する可能性があります。キャリアもそれを拒否する理由はありません。
ちなみに私は2ヶ月間の失踪中、一般家出人(自分の意志による失踪者)とみなされていたようで、失踪期間の後半はスマホの電源をずっと入れっぱなしにしていましたが、特に何も起こりませんでした。
生存が確認される
電話が長期間着信可能状態になっていることによって「定期的に充電がされている=とりあえずは生きているらしい」ことを、電話をかけてきた相手に仄めかす事になり得ます。周囲の人たちを撹乱し、生きているかどうかわからない状態にしておきたい場合にはSIMを抜いてwifiだけでスマホを使用するなどの対策が必要になります。
家族や友人などから連絡が嵐のように来る
最大の厄介事はこれです。失踪当初から数日間はとにかく電話、メール、LINEが山のように来ます。職場、同僚、上司、両親、家族、親戚、恋人、友人など、あらゆる人が心配をして連絡を寄越します。
残された大量の履歴を見てしまえば、失踪の意志が多少なりとも揺らいでしまうことは事実です。そのまま失踪を続けるか、やっぱり心配をかけたくないから家に帰るかは完全に自由であり優劣のあるものではありませんが、当初の「よーし、失踪するぞ!」という勢いを失墜させる事象であることは事実でしょう。
で、結局スマホはどうすればいいの?
失踪にあたっては携帯電話・スマホは持っていかないことがセオリーとされています。享受されるメリットよりも障害となるデメリットのほうが大きいからです。失踪の意志が硬ければ硬いほど、計画的であればあるほど、既存のスマホを使い続けることはしない傾向にあります。
スマホの処遇は下記4パターンにわけられます。
1. 既存のスマホを持ち続ける
電話が来ようがメールやLINEが来ようがガン無視できる精神力を持ち合わせているならそのまま使い続けるのが最もお手軽です。
2. 自宅に置いていく
そもそもスマホを持っていかないで自宅に残していむパターンです。連絡先を辿られて友人などに連絡されても厄介ですので、端末には堅牢なパスワードをかけた上で見つかりにくい場所に仕舞っておきましょう。道中で必要になったら新たなスマホを契約すればいいことです。
3. SIMを挿し替えて使用する
今の端末を使い続けたいけれど家族から電話やらLINEやらが大量に来るのが難儀である場合、SIMを抜いてしまうという手段があります。で、新たにSIMだけ契約して端末に挿して使えば誰も知らない番号で既存のスマホを運用することができます。
4. スマホ自体を破棄する
スマホを持っていること自体が忌々しい場合、破棄することとなります。スマホはプライバシーの宝庫ですので完膚なきまでに叩きのめし再起不能にしてから処分することが推奨されます。新たにスマホが必要な場合、新規で契約しましょう。
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