失踪を画策している人にとって考えるべき重要な問題の一つに「どこを生活の拠点にするか」があります。拠点を作らずに絶え間なく放浪するという手もなくはないですが、移動にあたってはお金もかかりますし、何より精神的に疲弊してしまいます。心が疲れてしまうことは失踪の意志を揺らがせることにも繋がります。
どこを生活の拠点にするか。本稿における結論は「都会へ行け」です。特に東京都内は潜伏場所としてはこれ以上にない最強の場所です。失踪する行き先なら絶対に都会を選ぶべき5つの理由を見ていきましょう。
1. 木を隠すなら森に隠せ
「木を隠すなら森に隠せ」という諺があるように、人を隠すならたくさんの人の中が最適です。
人の絶対数が少ない田舎や地方都市を一人で昼間からふらふらとしていれば目に付きやすいのは必然、住民の間で噂の的になったり、不審者として警察に職務質問をされる可能性が高まります。現在私が住んでいる北関東の地方都市においても家がないであろう人が朝から夜にかけて街中をふらふらとしている姿が散見されますが、非常に目立ちます。私はあまり街中を歩くことはないのですが、それでも「ああ、またあの人か」と顔を覚えてしまうくらいです。
これが23区内に約1000万人がひしめく都内だったらどうでしょう。少しくらい不審でも大量の人の波に埋没し、その濃度は薄められることとなります。姿を隠したいなら都内が最適です。
2. なるべく遠くに行くこと
失踪のセオリーは「なるべく遠くに行くこと」です。そもそもの居住地の近くでは見つかりやすいし、意志が揺らいでしまいます。であれば都内に住んでいる人が失踪したい場合、都内に潜伏することはあまり適していないと言えるでしょう。かと言って田舎を目指してしまうのは賢明ではありません。
選択肢としては、都内の中でも居住地からなるべく離れたところに行くか、都内の代替として別の大都市を目指すかということになります。名古屋、大阪、福岡あたりが候補として挙がるでしょう。
3. 都内はお金がかからない
特に東京都内を拠点に選ぶことによって失踪中にお金があまりかからなくて済むという点は最大のメリットです。
私は過去に失踪をした際、甲府行きの電車があったのでなんとなく飛び乗ったのですが、到着して驚いたことは駅前にネットカフェがないということです。離れた場所で見つけたネットカフェに泊まったのですが、料金も都内に比べれば倍以上に高額でした。なるほど、地方都市と言えども失踪者には優しくないということを身をもって体感したのでした。
都内は物価が高いと言いますが、それは主に不動産価格の話です。住むためには多額のお金がかかりますが、それ以外に関しては人口が多い分だけ薄利多売が可能であり、比較的安価であると実感しています。
至る所にネットカフェや宿泊施設があって料金もどこよりも安い。食費に関してもあちこちにあるチェーン店やディスカウントストアを利用すればかなり安く抑えることが可能です。
4. 都内は退屈しない
私がかつて住んでいた田舎では最寄りのコンビニまでひたすらに田んぼに囲まれた道を歩き続けて片道30分であり、それはそれは退屈であり単なる時間の無駄でしたが、都内ではそんなことはありません。
都内には狭い範囲にあらゆるものが溢れているので、ただ散歩しているだけでもそうそう飽きることはないでしょう。電車に乗る必要なんてありません。本を読みたくなったら通りがかりの中古本屋にでも入って文庫本でも買えば、数時間の暇つぶしをたった100円で行うことができます。
退屈は人の意志を鈍化させる麻薬のようなものです。人それぞれ適切な外部刺激の量がありますが、少なくとも退屈の闇に取り込まれないほうが健全なる失踪生活を継続できるでしょう。
5. 都内にはお金に困ったら仕事も溢れるほどある
失踪生活と切っても切り離せないのがお金の問題です。私も貯金残高が目に見えて減っていくことに恐れをなして、2ヶ月で失踪生活に終止符を打ってしまいました。
だけど、どうしても帰りたくない人や事情によって失踪を止められない人もいるでしょう。そんな人はお金を稼ぐ手段を見つけることが急務となります。都内においては求人の絶対数が圧倒的に多いばかりか、多種多様な仕事が用意されています。
確固たる生活の拠点を確保したい人は住み込みの仕事を探すと良いでしょう。縛られずに自由気ままに失踪生活を続けたい人はショットワークス等で日払いの短期バイトを見つけましょう。
また、『完全失踪マニュアル』(樫村政則、太田出版)においては失踪者がお金を稼ぐ方法としてリゾートバイトが紹介されています。季節限定にはなりますが住み込み・三食付きであり、短期間で稼ぐことができます。一考の価値はあります。
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